明治から昭和を生き抜いた、博学の士として知られる安岡正篤先生のご著書の中に、人間の体に関して面白いことを書いてあるものがあります。
プレジデント社『運命を創る 人間学講和』です。
このなかで、安岡先生は、中学の自分からずいぶん長い間「足る(たる)」(足るを知る、という格言で使われている、あの足るです)という表現が、なぜ足であって手ではないのか。なぜ足るであって手るではないのか、ということを疑問に持ち続けてきたという話をされています。
この疑問を氷解させる答えを出してくれたのが、ある医学者だったそうです。
その方は、手ではなく、足が決定的に人体の健康を保つ上で重要である理由を滔々と述べたのだそうですが、その一部にお寺の小僧の雑巾がけの話が出てきます。
面白いのでここでご紹介させていただきます。
以下、要約しますと
人間は立ち上がって、前足を手へと進化させることによって、頭脳の発達を得た。
匍匐(ほふく)する動物は、一番重力に対して、楽で合理的な姿勢をとっているが、その代わり頭が発達していない。
だから、人間も一定時間這っていると、原初の重力の負担を受けない合理的な状態でいられるため、神経衰弱や胃下垂など良くなってしまう。(実際そういうことを患者さんに指導するお医者さんがいたそうです。)
禅寺などでは、盛んに雲水や小僧に拭き掃除をさせるが、これをしていると頭が空っぽになり悩んでいても物を考えなくなる。そして胃腸が非常に良くなり健康になる。
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ということだそうです。
大変面白い話だと思います。振り返ってみると、私も、朝一番に床の拭き掃除などやりますと、とても心が晴れ晴れとしていることに気づかされます。
単に掃除という行為が気持ちを浄化するのかと思っていましたが、四つん這いというものの効果もそこに加わっていたのだと考えると何やら大変興味深いものがあります。
皆様も、何かに思い悩んでおりますときは、是非、四つん這いになって床の雑巾がけ、やってみてはいかがでしょうか?お勧めです。
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